新潮社の本館と倉庫は、2025年、国の有形文化財に登録された。倉庫内は大量の本の荷重に耐えられるよう、コンクリートの太い梁が無数に走る。
現地へ足を運んでみれば、コンクリートの質や、柱梁の角すべてに施された面取りなどから、当日の職人仕事を感じ取ることができるはずだ。

かつては倉庫正面にトラックが何台も待機し、荷台に満載された本が直接各地の書店へ届けられていたが、その後の出版ブームで刊行点数も増えつづけた結果、都外に新たに流通倉庫が建てられた。
それ以後この倉庫の役割は大幅に縮小、一部書籍の発送などに使われる程度で、約30年間の「長い眠り」に入った。

倉庫がふたたび眼ざめたのは、2024年秋。倉庫改修事業の第Ⅰ期として1階の一部と3階が改装され、同社の創業130周年にあたる今年、美術・工芸のギャラリー棟「soko」としてオープンする。
「soko」には、美術家の村上隆氏が「戦後日本文化の代表者のひとり」と評する故・坂田和實氏が「なんともないものこそ美しい」を伝える場として、彼が集めた工芸品を展示、公開するギャラリー「坂田室」や、今年10周年を迎えたパリ6区、サンジェルマン地区にある、日本の食器と古道具の店「1月と7月」などが入る。
「soko」概要
🗓️ 2026年3月27日オープン
📍新宿区矢来町71
*一部予約制