日本で一番長い商店街は、約2.6キロ続く大阪の天神橋筋商店街。その長さこそ敵わないものの、全長約1.3km、東京で一番長い商店街である戸越銀座商店街も、食べ歩きが楽しい商店街としての魅力では負けていない。天気のいい日に、お腹を空かせて足を運んでみて!
「○○銀座」の元祖、戸越銀座商店街
戸越銀座商店街は、品川区に位置する戸越銀座商栄会商店街振興組合、戸越銀座商店街振興組合、戸越銀座銀六商店街振興組合の3つの商店街振興組合で構成され、商店街沿いには約400件の店舗が軒を連ねる。生鮮食品を扱うお店から、その場で食べることもできるコロッケなどのお惣菜、スイーツのお店まで揃っているので、地元の人も、観光客もそれぞれの目的で楽しむことのできる。
また、恵比寿銀座通りや谷中銀座商店街など、銀座以外の土地で「銀座」と名の付く場所が全国に300以上あると言われているが、戸越銀座商店街はそのうちで一番最初に「銀座」を使用した商店街だ。その由来はこの土地の特徴と、大正12年の関東大震災まで遡る。
戸越銀座の周りには「清水坂」、「宮前坂」、「八幡坂」など、坂のつく地名が多くある。商店街はこれらの坂を下ったところに東西に伸びる谷底状の地形に沿って形成されていたため、水捌けが悪く、長い間ぬかるみや浸水に悩まされていた。
そんな中で大正12年、関東大震災に見舞われた。当時の商店主達は、銀座のレンガ造りの街並みが壊滅的な被害を受け、大量のレンガ瓦礫の処分に困っているという話を聞きつけ、銀座までリヤカーを引いてレンガを引き取りに行った。そのレンガは、水捌けの悪い通りに敷き詰められ、歩きやすい道の改装へ使用された。「○○銀座」の元祖は、銀座との縁によって生まれた由緒正しい「あやかり銀座」なのだ。
戸越銀座商店街の歩き方
戸越銀座商店街の最寄駅は、東急池上線戸越銀座駅と都営浅草線戸越駅。どちらの駅から行っても、改札を出たらすぐ目の前が商店街だ。いずれの駅も商店街の中間地点に位置しているので、駅を降りたら気の向くまま進行方向を決めて散策を楽しむのがおすすめ。名物の「戸越銀座コロッケ」は、約20店舗が独自のコロッケを販売しているので、お気に入りの味を探してみて。
戸越銀座商店街の人気店
下調べなしに散策するのも楽しいけれど、戸越銀座に初めて訪れる人におすすめしたいのがこの5軒。商店街の老舗から、食べ歩きの休憩にちょうどいいスイーツのお店まで、地元の人に混じって商店街の魅力に浸ってみて!
1,鶏&デリ
各種スパイスで味付けしたモンドセレクション受賞の秘伝のタレが下味の「グルテンフリーからあげ」や、ボリューム満点の「ジャンボチキンカツ」、本場九州の甘酢タレを使ったチキン南蛮など、デリそうざいが多数揃う。連日、イートインスペースは、夕方からの一杯を楽しむ人で賑わう。
📍品川区戸越1-16-8
2,百番
地方色のある「中国料理」を店内、また、テイクアウトで提供する創業70年の老舗。平日限定、料理3品約30種類から好きな料理を3種と生ビールのセットが1980円で楽しめるお得な「晩酌セット」が人気。
📍品川区戸越1-15-15
3,MEAT&DELI 355
2019年オープン、スタイリッシュな店構えが目を引く、A5銘柄和牛を中心としたフルオーダーカットの精肉店。戸越銀座唯一のワインショプとして豊富にワインも揃え、定期的にワイン会も開催している。
📍品川区戸越2-6-8 小野澤ビル 1F
4, シロクマカフェ
至るところにシロクマのぬいぐるみ、置物や絵本が並ぶ、商店街の端に位置する赤い屋根が矢印のカフェ。クレープやケーキなど定番のスイーツメニューが揃うが、おすすめは通常のものより2倍はありそうな長いソフトクリーム。食べ歩きの最後に試してみて。
📍品川区平塚3-4-2
5, 米がおいしいおにぎり戸越屋 戸越銀座本店
最後に紹介するのは、行列の絶えないおにぎり専門店。お米はその年でもっとも美味しい品種を厳選する。今年は食感がもちもちで甘味のある、山形産のつや姫を使用している。一番人気は、4時間醤油に漬け込んだ卵黄と甘辛いそぼろの贅沢な組み合わせが美味しい「卵黄+そぼろ」。テイクアウトも可能。
📍品川区戸越2-5-3